歯周病伝言板　　vol.44

氷川下セツルメント診療所歯科を知ったのは保健生協のパンフレットであった。今まで永年の間、通っていた他の歯科医院の時の様な軽い気持ちで受診したのが１年半前のことである。初診の日、歯周病の原因そして歯ブラシだけでの歯の磨き方の説明を受け、その日は「歯周病伝言板」の本を求めて帰った。淋しい限りの歯の持主でありながら全く無知だった私には、歯科衛生士さんのワンポイントアドバイスは初めて知る事も多く、とても参考になり何回も何回も読み返した。その日から左手に鏡、右手に歯ブラシを持ち、テレビの前に座り、アドバイス通りの「ながら磨き」１本の歯を３０回磨くを実行、絶対に守って磨かなければいけないという気持ちにしてくれた「歯周病伝言板」であった。次に伺った日、先生に「驚くほどよく磨かれています、歯ブラシは（強さは）軽く、回数（は多く）です」とほめて頂いた時は嬉しかった。そして励みになった事を今思い出す。それから歯ブラシを鉛筆を持つように持ち直し、今では歯磨きは食事時間の一部として歯ブラシを手にする。「食べたら磨く」である。テレビ等でよく耳にするプラーク、目で知る事はむずかしい。正しい歯磨きがいかに大切かを教えて下さった先生、衛生士さんにただただ感謝である。高齢者これは誰でも通る道でも歯周病は正しい歯磨きで少しは防げたかも知れない。振り返るとたまらなく後悔の気持が残る。

一本の歯根の治療にも諦めず一生懸命の先生の姿に一本の歯の大切さも教わった。これからは数少ない歯を自分で出来る歯磨きで少しでも長く守っていきたいと思う。最後にご苦労をおかけした先生、いつも変らぬやさしさで接していただいた歯科衛生士さんとの出合いに心から感謝したい。

１９９８．１．７

６０代女性匿名