歯周病伝言板　vol.47　私の尊い経験談

私の尊い経験談

或る言葉より

『歯の手入れは命の手入れ』

吉野先生へ

79歳　　横田京子

この文書を書くにあたり、ただ単にえ？・・・等と言って受けてしまって何をするにもああ引き受けてしまったであわてている始末である。手につかぬというところなのです。何から先に書くのか、小学校の綴り方教室の時間のように寝ても起きても頭の中を苦しく駆け回っているのです。

その渦の中に突然。！！あの歯が痛かった頃の気持ち、どうしたらこの痛さがすっきりして胸の中が晴々としたら、どんなに楽しくうまく何でも手に付くのだろうなどと考える毎日だった頃を思い出し･･･

平成21年の頃からの私の友人の一人でとても気の良いお友達が居りました。女性Aさんです。何事もザックバランと云うか話せる彼女が、梅干し。『あの固い種」を持つスッパイ梅干しなのです。私の主人に梅干しの作り方を教えてほしいとの事なのです。早速作り方を教えたり書き取り、安心して帰りました。何度か私共へ参り、我が家で作った梅干しを持ち帰りしますうちに梅干しの種の話が出ました。あの種を割るのに、「歯が丈夫でなければ駄目だ」と云うのです。びっくりしました。私など種までは考えませんでしたが、彼女はあの｢天神様」と云われて居る種の中の物体が又これは特別な味があるのです。私も子供の頃中味を出して食べた事があり、それを思い出しました。それに歯が丈夫でなければ駄目なのです。それで歯の話が出たのでした。私は彼女と話しているうちに彼女の口の開き具合に、彼女のその歯並びが何と目にすいつけられたのでした。アッと思い、｢失礼ですけど、あなたはどちらの歯医者に行かれてるのですか？」と聞きましたら、水が流れるように、「私は何年も前に作ったけれどそのまま放って置いたままだったのを手を入れて頂きその続きを今、手がけて頂いているのです。丁寧過ぎる程だけど、時間がかかるかもしれないが、それでも良かったらお話して上げます。」と云って紹介してくれたのが江戸川橋診療所歯科の『吉野先生』でした。私の主人もそれは絶対お願いしなさい。善は急げ、『歯の手入れ』は『命の手入れ』だ！！と云ってその場で話を決めて頂きました。私の主人は平成22年の正月に、彼女が梅干しを大変気に入り喜んで我が家で作った梅の「カメ」を手に提げて家に帰る姿を見ずに他界致しました。

主人が最後に云われた言葉は「歯にしっかり懸けておいしく食事が出来、笑顔で楽しむことが出来る。最期まで歯を忘れずに長生きしてゆっくり後から来いヨ。『歯の手入れは歯、命の手入れ』を守ってなァー」と励ましの言葉でした。私は吉野先生にお手入れを頂き、楽しく介護のデイサービスで頂く昼食を楽しみながら、主人の言葉と吉野先生の言葉と御努力に感謝しています。その後も歯の御手入れをして頂くたびに一度として歯が痛いと思って涙を流した日はありません。これからも吉野先生の注意･言葉を守って後輩方々にお話ししたいと思いました。

平成23年12月