歯周病伝言板 vol04
若い頃は、あめ、チョコレート、ケーキ、ジュース、あん類、大好物でした。食後、即、歯を磨くなんてとんでもない。口の中にフワーと広がる味?で「これはうまい」・・・と食べ物の批評をしていました。
今考えると、ゾーっとすることを十数年、繰り返してきたことになります。
気がつかないうちに歯茎が腫れてきたような気がし、歯磨きしても出血する。出血すると怖くて、柔らかいブラシで磨いたり、つい簡単にすませていました。
私は歯槽膿漏の知識はまったくなく、それでも時折、自宅近くの歯科に通っていました。模型の歯を使って歯磨きの仕方を教えてくれたものの、「私だって歯磨きはしている」とひらきなおったことを覚えています。
ちょうどその頃、婦人科も悪くなり、検査、手術、治療で安心できる歯医者にいかなくてはいけないと思いつつ、放置し、ますます手当てが遅れてしまったようです。
仕事中、突然右下奥歯の歯茎に小指大のものがプーと腫れ、我慢できない痛みがきました。自宅近くの歯科で切開してもらい、翌日、かねてからぜひお世話になってみようと考えていた氷川下セツルメント病院へ通うこと事になりました。
右上下奥歯2本を失ってから、歯槽膿漏の怖さと自分の不注意を悔やみました。もう1度歯がはえかわってくれれば今度こそ失敗は繰り返さないのにと思っています。
先生や歯科衛生士さんは、歯を磨いているのになぜ歯槽膿漏になってしまったのだろうという疑問を具体的に指導してくださり、治療にあたってくれました。
「歯を磨いている」と「歯が磨けた」の違いを染めだし液で教えてくれました。はじめ、40歳過ぎた者が鏡とブラシを持って診察台で歯磨きをする。かっこう悪いと思いましたが、毎回磨き方のチェックをすることによって自分の苦手な磨き場所がわかる。現在、夕食後30~60分テレビを見ながら歯磨きをしています。はじめた頃は、唾がたまり洗面台に走っていったり、彼もよく30~60分も歯を磨けるねとあきれ顔でしたが、こりずに1日1回納得いくまで磨いています。
また磨き方ですが、歯面を細かく振動させて磨く方法を教わりましたが、即、効果が出ず、側で見ていた彼は「そんな歯磨きの仕方で良くなるものか、昔はローリング式、横磨きがいいと教わったじゃあないか、歯磨きの仕方にも流行があるのか? じゃ、昔の人はみんな歯槽膿漏に患っていたね。もっと力を入れて」と力説していたのですが、今では彼も氷川下セツルメント病院にお世話になり、私と同じ磨き方[バス法]をしています。
私はかなりの重症磨き方だけでは良くならず、5カ所にわたり切開をしました。あまりの痛さと緊張で力がぬけてしまったり、「しゃべれます?」「明日から仕事に行けます?」「食事はできます?」と愚かな質問をたくさんしてしまいました。
意志があまり強くない私ですが、あの時の痛さはもう二度とごめん。その一念でその後も1日1回の歯磨きはきちんと行い、序々ですが歯茎の健康を取り戻しつつあります。歯茎が軽くなったことを実感しています。「元の健康状態にはもどらないですよ。現状維持をしっかりと守って下さい。十数年かかって悪くなったので治っていくのにも十数年かかるのですよ。」という先生や歯科衛生士さんの言葉をしっかりと胸に受けとめています。もうひとつ、大好きだった甘い物も年齢のためか控え気味になっています。歯にもそして骨そしょう症にならないためにも、カルシウムをたっぷりとるように心がけています。
今ある歯を、大事に、大事に、つかっていきたいですね・・・・。
辻あや子